「よかったじゃないか」 僕から離れた相沢に、ほほえみかける。 「廊下でぶつかってね、それで、それで」 おおげさに手をうごかしながら彼女は説明する。 ほおが紅潮して興奮したままだ。 「保育園いらいだね、って。覚えててくれてね、それで」 彼女の話を要約すると、それからすこし話をして。 勢いでチョコレートをわたしたらしい。