そんな相沢に転機がおとずれたのは、冬のさむい時期。
バレンタインデーのことだった。
世の中の男子があわい期待を抱いては地獄をみせられる、例の行事だ。
僕は毎年そわそわすることもなく、平穏にすごしている。
ただ今年はすこし違った。
「ねぇ、どうしよう、どうしよう!」
相沢が猫のような瞳をきらきらさせながら、僕に抱ついてきた。
「伊藤としゃべっちゃった!チョコレート渡しちゃった!」
僕の胸元で、相沢は興奮している。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…