「王様だあれ?」

あたしは王様じゃない。

「おっれ様だ!」

隣ではしゃぎだす男子。
さっきの人かあ。


「ん…じゃあ2番俺と
ポッキーゲーム。」


誰、誰~と周りが騒ぎ出す。

てか、ポッキーゲームって何よ。
そう思いつつも自分の目を疑った。


「ん?まさか愛華ちゃん2番?」


隣で鼻をピクピクする王様。
や…だ。急に体が寒くなる。


「注目!」

王様の男子はあたしにポッキーのチョコの部分を加えさせた。同時に王様はクッキーの部分を加える。
周りがタンバリンを叩きながら騒ぐ。
やだ…どんどん顔が近づく。


「っっ――!」


―ボキッ

へ…?
折れたポッキーが下に転がっている。

何で…?

「おい、女の子には優しくしねえとな。」

王様を叩いた男子。
明らかに今来ましたって感じで鞄をだるそうに抱えていた。