抱きあげられた、というより、子供が親に抱っこされたようなかんじの体勢だ。
というか、
い、意味がわからない!?
「ちょっ、おろして!!!いきなり何!?」
本当にいやだ、恥ずかしい。もしクラスメイトになんぞみられたらわたしは終わりだ。
バタバタ暴れてみるが、わたしを抱く腕はわたしを離そうとしない。
暴れるわたしの様子を見て、たのしんでいるんだ。
「ふははは。可愛い子猫ちゃん。そんなに、あばれないで?」
男のあまりに優しそうな物言いに、わたしの抵抗が一瞬ゆるんだ。
なんだこいつ。
自分は今見知らぬ異性に何をしているのかわかっているのか?!
しかもなんだ?!
子猫ちゃん?
誰だよ!?
子猫なんて一匹もいない。