「殺す前に一つだけ聞いとくけど・・・。」
「あ?」
「能力者開発組織、ファクトリーはどこにあるの?ボス、Dr.ガロンはどこにいるの?」
「そんなのは俺も知らないし、知ってても教える義理はない。なぜならお前はいまここで死ぬからさ!」

男がナオめがけてカマを振るった。
ナオは剣でそれを受け止め、押し払った。
剣をバズーカに変え、空気砲を放つ。
空気に押され、男が体のバランスを崩した。
間髪いれずバズーカのもう一つの発射口からワイヤーを放つ。

「ぐっ・・・!なんだこれは?」

ワイヤーは男の体を絡めとった。

「鋼のワイヤー、並みの力じゃ切ることはできない。」

ワイヤーに絡まれ、身動きできずに倒れこんでいる男にナオが歩み寄る。
バズーカの発射口を男につきつけた。

「くそ・・・。なんなんだその奇妙な武器は?そんなものが作れるとすれば、ファクトリーくらいのもんだぞ・・・。お前、いったい何者なんだ?」
「あたしは全てを倒す女・・・ナオ。」
「な、ナオだと?ハンターのナオか?」
「みんなそう呼ぶ。こうやっていままで出会った組織の連中は倒してきた。フルチャージ!」

エネルギー弾が男の胸を貫いた。
男は悲鳴をあげる間もなく息絶えた。


――男は四つんばいになった。
男の頭から2本の白く太いツノが生える。

「その能力・・・闘牛か。」
「へえ、ただもんじゃねえとはおもったけど、まさか能力のことを知ってるとはねえ。」

男がショウに向かって突進してきた。
ショウは右手の掌を前に出した。
ショウの前に白く透き通った薄い膜が現れた。
その幕に男が突撃する。
と、その直後、男の体が後方に吹っ飛んだ。

「っつ・・・。なんだ今のは?いったい何しやがった?」
「リフレクター。衝撃を吸収し、そのまま跳ね返したんだ。悪いけど、ここで暴れられたらここの大事な墓石をこわされちゃうんでね。」
「リフレクターだと?馬鹿な・・・。能力を使えるのはファクトリーの者だけのはず・・・。なぜお前が能力を持っているんだ?」
「これは俺が父さんから与えられた力だ。全てを守るために!」
「ほお、つまりお前の父親がファクトリーの・・・。」
「違う!!」

ショウが叫んだ。

「父さんをお前らの組織と一緒にするな!この力は、父さんがお前らの組織からみんなを守るためにもらった力だ!」
「・・・。」