真白に
真っ白に
なりたかった。



「あ…愛輝!!!!」
「!!」


突然の叫び声。

振り返ると同時に、何かに締め付けられた。

それが何か、わかるまでに時間はいらなかった。


「…どうして来たのよ…。」

「わかってて安々見過ごすかよ!!」

「……っどいつもこいつもっ!!どうして今なのよぉっ!」

「当たり前だ、バカ!!ったく、どれだけ探したと思ってる!どれだけ走ったと思ってるんだよ!!殺す気かバカ!」

「バカバカうるさいなぁ!なら来んな!!」



抱き締められる。
その腕の力は徐々に強まり、息がしづらくなる。


本当…バカ…


もう…
死ねないじゃない……



「帰ろう、愛輝。」



彼の言葉に、頷くしかできなかった。