大学生活2日目。

家庭の諸事情により起こしてくれる親が不在だったせいで早速寝坊しそうになったのは秘密。

今日はまだ授業が始まるわけでもなく、ただのオリエンテーションだから行ってやるか…

そう思いながら私は家を後にした。

マンションの下は引っ越車が止まっていて、空き部屋である左隣の部屋が埋まるのかもしれないなとぼんやり考えながら学校へ向かった。





「はよ、佐倉」

「あ、おはようございます。」

学校について自分の席の椅子を引くと、朝っぱらから眠っていた後ろの黒髪がもぞもぞと動いて、気だるい挨拶が投げられる。

何で敬語なんだよ、とか言って笑われたからもう一回おはようと言ってやる。

それでいい、とばかりに頷く内田くんを見てやっぱりイケメンだとしみじみ思った。

しばらくぼんやりしていると、凌くんと前の席の女の子もやってきて私の席の周りは一気に賑やかになっていった。