「んー…眠い」

身体測定をしたり、グダグダの長っらたらしい講話ばかりを聞かされたりしたせいだろうか。

部屋着に着替えてカーペットにごろんと寝そべると心地よい眠気が私を襲う。

私は掛け布団だけ確保して、そのまま目を閉じた。


~♪…

暫く眠りこけていたが、眠りを妨げる忌々しいインターフォンの音がして、私はしぶしぶ起き上がる。

「あぁもう、せっかく寝てたのに。…誰よ、私の家に来る人なんていたっけ」

軽く悪態をつきながらトタトタと廊下を横切り、思いきりよく玄関の扉を開いた。

恐らく私は寝ぼけていて、まともな判断力に欠けていたのだ。

いつもなら訪問者の姿をちゃんと確認してから開くその戸を、
私は今日に限って何も確認せずに開いてしまった。

「はいー。どちら様です、か…っ!?」

「どーも。隣に引っ越してきた神埼、…って、は?!」

後悔した。

非常に愚かだったと我ながら思う。


扉を開けたその先には、神埼恭汰が、立っていた。

お互い呆然として立ち尽くした。