私は恋愛初心者だ。
男の子の事がよくわからない。
クラスのほぼ全員が彼氏を一度はつくった事がある。
だから恋愛話になるとウソをついて
会話から外れて屋上へ行く。
「はぁ。恋愛なんて全然分かんないなぁ・・・」
いつもここで独り言を言っていると必ず来る人がいる。
「水咲~~~!!」
私はこの声が聞けるだけでも安心する人。それは・・・
「もぅ。またこんな所にいたの?」
彼女は琴音。私の親友でロングヘヤーが印象的だ。
「なに。また抜け出してきたの?」
「うん。やっぱり恋愛は無理だよ。」
「何言ってんの!?今は夏だよ!夏!」
「だからなんなの?」
「もぉーーー。夏といえば屋台に花火に恋愛でしょ!恋愛!」
「何でそこに恋愛が入ってくるわけ?」
「決まってるでしょ!花火を見ながら突然の告白。okした
彼女は抱きしめ合い・・・いやー。これ以上したら
妄想止まんな~い!」
「ごめん。やっぱ着いていけない。」
「それはそうだと。前から聞きたかったんだけどさ
水咲って好きな人いるの?」
(ドキッ・・・)
「い、いるわけないじゃん。」
「だよね~~。あっ次、移動教室だから先行くね~~」
「は~い。」
「あっ、言い忘れてたんだけど
水咲と私と臼井くんとその臼井くんの友達と
祭り行く約束したからね~~。」
「は~いっ!?」
「ちょっと勝手にしないでよそんな約束!
気まずくなるじゃん!」
「いいじゃん。水咲の幼なじみでしょ。臼井くん。」
「だからだよ!!」
「ただでさえ臼井は苦手なのに・・・」
「まぁ、いいじゃん。この機会に仲良くなれば?」
「ちょっ、ちょっとーー!!」
(バタンッ)
「もぅ。琴音の琴音の琴音のバカァァァァァァァァァァァ!!」
ついつい叫んでしまった。でも今は叫んでも良い理由だ。
「はぁ。最悪だ。臼井は臼井は私の・・・」
「私の何?」
ーー第1話「幼なじみ」前編ーー
「私の何?」
(ドキッ・・・)
「うう臼井!?何でこんな所にいるんだよ!」
「さっき琴音が屋上から出てきて嬉しそうな顔してたから
なんでだろうと思ってきたら水咲が居て」
(琴音ー!お願いだからその喜びを顔に出さないで!!
もう最悪だ。私の初恋は臼井なのに・・・)
そう。恋愛に興味のない私が初恋した男だ。
(チラッ)
(じーーー)
「ん、何?俺の顔じっ~っと見て」
「えっ!?いや、あの、その・・・」
「ん?」
「な、何でもない!!」
(私のバカバカ。何で臼井の顔なんか
ガン見してるんだろう・・・)
「はぁ。」
「何ため息ついてんの?顔も真っ赤だし。夏風邪?」
「いや別に。日が当たりすぎてじゃないのかな。」
「そうだね。」
「うん。そうだよ、そう。」
「あっ、そういえばさ。水咲さ今度の祭り来るんだろ?」
「えっ?あーうん行くよ。」
「俺さお前行くの久しぶりだからさ
超楽しみなんだよな。だからさ
頼みがあるんだけどさ」
「ん?何?」
「あのさ、浴衣着て来てくれない?」
「えっ!?何で?」
「だってさ水咲の浴衣姿なんて見たことないし。」
(キュン♥)
な、何でキュン♥何て思ってるんだろう・・・
臼井は苦手なのに。でも好きなんだよねぇ。
「はぁ。」
「何ため息ついてんの?」
「えっ!いや何でもないよ」
「そう。」
キーンコーンカーンコーン
「あっ、チャイム鳴った。
水咲、教室戻ろうぜ」
(バタバタバタ)
「あっ、ちょっと待ってよ!!」
(バタバタバタ、キーバタン)
「ふぅ~。間に合ったね。」
「あぁそうだな」
「はーい。お前ら席に着け
授業はじめるぞ。」
「起立きおつけ礼!お願いします。着席!」
(はぁ。何か眠いな)
眠気ただよう5時間目。しかも国語。
先生が読んでる文が子守唄に聞こえる。
子守,,唄,,,に,,
「はい。次56ページをooさん」
「はい。この物語,,,,,,,,]
(スースー)
,,,,,キーンコーンカーンコーン
「はい。今日の授業はここまで。明日までに
これをまとめておくように。」
(はっ。私いつの間にか寝ちゃってた!
やばい何をまとめるんだろう・・・)
「起立きをつけ礼!ありがとうございました。」
「ねぇねぇ琴音!何をまとめるの?」
「えっ!?聞いてなかったの?」
「えへへ。実は寝ちゃってて・・・」
「クスッ。水咲らしいね。でもよくバレなかったね。
もしかして臼井くんがフォローしててくれたとか!?」
琴音は面白そうに言う。
「臼井が前の席だからってそんなわけないじゃん。」
そう。臼井は私の席の前である。でも、フォローするとは
たいてい思えない。
「そうかな?だって臼井くん、水咲の事がバレないように
頑張って隠してた所、私見ちゃったもん!」
「えぇぇぇぇぇーーーーーー!!」
「ちょっと水咲、声でかすぎだよ。」
「あっ!ごめんごめん・・・」
(嘘だ嘘だ・・・絶対にうそだ!あんな奴が
私をかばうなんて・・・)
「もしかしてさ水咲の事が好きだったりして!?」
「えぇぇ!それはありえないよ絶対にない!!!
あんな奴にとって私は論外圏外だよ!」
と、まぁこんな感じで6時間目・帰りの会と終わり
下校時間になった。
「ねぇねぇ琴音はさ、浴衣着るの?」
「実はね,,,」
「えぇぇ!!臼井くんに着るように頼まれたの!?」
「しーー!琴音声でかいよ。」
「あぁ、ごめんごめん。でもそれなら
着てきた方がいいんじゃない?」
「えぇー。やっぱり?」
「大丈夫だって私も着てくるから!ねっ!」
「うん・・・わかった。」
「じゃあ今日噴水広場前に5時集合ね。」
「はいはい。じゃあね。」
「うん!ばいばい!」
(ガチャ)
「ただいま~。」
「あっ、おかえり。」
「浴衣部屋に置いてあるわよ。」
「ありがとうお母さん。」
(ガチャ、バタン)
「はぁ。やっぱり自分の部屋は落ち着くな。
あっ!これか浴衣は・・・さすがお母さん!
私の好みのどうりだ!」
はぁ。これを着ていくのか・・・
何か今更だけど恥ずかしくなってきちゃったよ・・・
やっぱり着らないで行こうかな?
(大丈夫!私も着てくるから)
「いやいやダメだ。琴音と約束したし
ちゃんと着ていかなきゃ」
ー10分後ー
「よし準備完了ってえぇ!!
4時50分って後10分で5時じゃん!
急がなきゃ!」
「お母さん!行ってきま~す!」
(バタン)
やばいやばい完全に遅刻しちゃうよ!
「はぁはぁはぁ。やばいちょっと飛ばしすぎたかな・・・
早歩きで行こう」
ー5分後ー
「あとちょっとで着く」
「ん?電柱の所に誰かいる。私の知ってる人・・・」
「あっ、遅いんだよ!ほら早く行くぞ!
皆もうまってるから。」
えっ!?うそ・・・臼井が迎えに来てくれた・・・
「ん?何ボーっと立ってんだよ。
ほら行くぞ!」
(ギュ)
えっ!?私の手・・・握ってる。
やばい。どうしよう。私変な汗とかかいてないよね。
えぇ。どうしよう。胸のドキドキが聞こえそう・・・
「おーい。連れてきたぞ!」
「あっ、水咲遅すぎる!」
「あはは。ごめんごめん。ちょっと
したくしてて」
「それはいいけど・・・」
「ん?何?」
「水咲・・・かわいすぎるよ♥」
ギュー
「うわっ!ちょっと琴音!抱きつかないでよ!」
「あははー。ごめんごめん。ついww」
「はぁ~。ついってなんなんだか。」
「まぁまぁ。それはさておき・・・今からクジをしま~す!」
「クジ?って何のためにするの?」
「今からクジを引いて2人1組でこの祭りを周るの!
いい考えでしょ?」
えぇーー!どうしよう。もし臼井と当たったら完全に
ドキドキMAXだよ・・・どうしよう。
「じゃあ、せーので引くよ。せーの!」
「あっ。私のは赤」
「あっ。俺も赤」
えっ!?まさか・・・
「え~っと、というわけで決まったのが
私と平川くんとそっちは水咲と臼井くんね。
よしそれじゃあ、帰るときはどちらかの携帯にでんわして!」
ガヤガヤワーワー
「ということだとさ。ほら行くぞ水咲。」
「あっうん....」
「離れんなよ。」
「わかってるって!」
はぁ。私って徐々に恋愛に興味持ってきてるのかな・・・
「あっ!?どうしよう...はぐれちゃった・・・」
その時、私の腕を強く引っ張る人がいた。
(あれ?誰かが私の腕を引っ張ってる!?)
「おい!何はぐれてるんだよ水咲。」
あっ。臼井だ。何でだろう、臼井の事が好きなせいか
普通の人より何十倍も嬉しい。
「もうはぐれんじゃねーぞ。」
「うん。」
ギュ
あっ。また手を握ってくれた。
大きな手。私を暖かく包む。
あっ。臼井、顔が真っ赤だ。やっぱり恥ずかしいのかな?
やばい。またドキドキが伝わりそうで
何か恥ずかしい・・・
「なぁ水咲何か食べるか?」
「えっ、まだ大丈夫だよ。」
グゥゥゥゥ
「やっぱり何か食べます。」
「あはははは。結構なったな。」
はぁ。恥ずかしい////
「何食う?」
「じゃあクレープ!」
「はいはーい。じゃあちょっとここで待ってて。」
「えっ?」
「ん?何?」
「いや。何でもないよ。お願いね。」
はぁ。手を離された瞬間何か寂しくなった。
手を握っててくれるととても落ち着く...
「ねぇねぇそこの彼女!俺たちと店周んない?」
「えっ?あのその・・・」
「ねぇ行こうよ!」
グイッ
「嫌だ!離してください!」
「いいじゃん!」
やだ!臼井早く帰ってきて・・・!
「おい!俺の女、ナンパしてんじゃねーよ」
臼井・・・
ってえっ!?俺の女?っていうことは
彼女ってことかな...
「ちっ。男いるのかよ。行こーぜ。」
「はぁ。お前何もされてねえだろうな。」
「うん。大丈夫!あの・・・」
「ん?何?」
「あ...ありがとう..///」
ポンポン
「よし次どこ行く?」
「えーっとそれじゃあ....」
ヒューバン
「あっ!花火始まっちゃったよ!
よし水咲ちょっと走るぞ!」
「えっ!?無理だよ私これ履いてるし・・・」
「よしじゃあ....」
ドサッ
えぇ?お姫様抱っこ!?
「ちょ、ちょっと!恥ずかしいよ!
今すぐに降ろしてよ!」
「大丈夫だってちょっと林の中走るだけだから!」
「えぇ!?」
「よし!ちゃんと掴まってねぇと落ちるぞ」
「えぇーーー!!」
ガサガサガサ
ー5分後ー
「ふぅ。やっとついたぞ!
お前って結構軽いなww」
「お世辞はいらないよ!」
「いやいやマジで。
でもここなら誰もいないし
一番よく見えるんだぜ!ほら。」
「わぁ...凄い!凄いよ臼井!!
こんなにキレイに見えたのは
初めてかも!!」
「だろ?」
「うんうん!ここに来て良かったよ!!」
「・・・」
「あのさ!」
「ん?何?」
「俺の事をさお前はどう思ってる・・・?」
ギクッ
「えっ?どうしたの急に?」
えっ?何この急展開!?
どうしよう・・・凄く真剣な目...
今、臼井の顔見られないかも////
グイッ
「俺の顔ちゃんと見ろよ。
俺のこと...水咲はどう思ってる。」
「どうって・・・」
やばい・・・臼井の顔、近すぎ・・・
「私は...その...臼井のことは...」
「事は何?」
「すき....だよ。。」
「・・・///」
「その好きはさ、ラブの方か?」
コクッ
「ありがとう。俺もずっと水咲のことが好きだった・・・」
え・・・///それじゃあ私たちって両思いだったの?
「なぁ水咲・・・」
「何///?」
チュッ
「...ん!?」
「...ん...はぁ...」
「ん...はぁ..」
バタッ
臼井は「好き」という事を私に教えてくれるように
何度も何度もキスを重ねてくれた・・・。
その頃琴音たちは・・・
ブゥンブゥン
「はぁ。水咲達全然出ないや。
いいや帰りましょう!」
「うん。」
チュッ
こっちもこっちで新たな恋が始まったようです...♥