「今日ね、同じクラスの亀井くんって男の子に告白されちゃった。」 いつものように、お兄ちゃんの部屋で他愛もない会話をしていた。 「紗羽は、可愛いからモテるんだな。」 なんて笑ってるけど。 机に向かって医学書とか開いてて。 話は上の空でしょ? 「再来週の土曜日、遊びに行くことになって。」 「やっと、彼氏ができたのか。」 やっぱり、こっちを見てくれない。 チクンって。 ほんの少しだけ。 心が痛んだ。 きっと、お兄ちゃんはあたしに彼氏ができても。 気にもしないんだって。 言われてるみたいで。