霧生くんが住んでいるのは、病院からバイクで5分の所。 ごく普通の2階建てのアパート。 あたしの家が病院から徒歩2分だから、相当なご近所さんだったんだ。 よく今まで会わなかったな。 ビックリしちゃう。 「おっじゃましま~す。」 満面の笑顔で、玄関のドアを開けてくれた霧生くんより先に家の中に入った。 「はい、どうぞ。」 疲れてるのかな? 呆れてるのかな? 霧生くんは異常にテンション低い。 ムリヤリ来たようなものだから仕方ないかな? そんなことは気にもせず、グルリと部屋の中を見回した。