「ゴホゴホッ…うっ」



泣いちゃ駄目、泣いたら私はお終い。
私は必死に涙を堪えた。



ここで泣いたら、きっと何にも出来なくなる。



弱い凄く脆い人間になる。





誰かが、カッターを私に向けてきた。

そいつこそ私に「次はお前だから」って言ってきた人物。





このクラスの王様。
や、この学校全体を支配してる。
親が理事長のせいか、生徒も、教師も、親も。誰もが彼に絶対服従。



いつも人を見透かした目で見てて、怖い。こいつの存在は恐怖でしかない。





「選択してね。1.このカッターで髪を切るか 2.服を全部切り裂いて、裸のまま校内一周…どっちにする?」



彼はニコッと私に微笑んだ。
目は笑っていない。




「どっちも…い…やだ」



私は精一杯の声を振り絞って出すと、フンっと鼻で笑われた。





「はーっ?お前馬鹿じゃねえの?1.2以外は駄目に決まってんじゃん。もしどっも嫌なら、これで刺すけど」





今の彼は狂ってる。
怖い。怖い。

やだ…。

誰か助けて!