「確かに、意地悪で、天邪鬼で、大人気なくて、
暗くて、変な人が多そうですねー」
「ほう……?
誰をサンプルにしてものを言うか?」
頬を引きつらせる彼に、ささやかな復讐を試みる。
「だって、普通の人は睡眠薬口移ししないもん。
まー誰とは言いませんけどねー」
「あれはお前が先にした嫌がらせだろう。
忘れたとは言わせない」
「……はい?」
先にした、嫌がらせ?
ま、まさか……。
「混乱したお前を落ち着かせて寝かせてやったのに、
あんな仕打ちを受けるとはな。
悔しかったから、いつかやり返してやろうと思っていた」
「あんな仕打ちって……」
「……しただろう、同じような事を。
人が寝ていたと思って」
…………。
いやぁぁぁー!!
バレてたぁぁぁ!!
「き、き、気づいて……」
「眠かったから、油断していた。
まさかお前ごときに、思考停止させられるとは」