パシッ。


「けど、今のでチャラだ!

このバカ使い魔!」

「フーッ!!」


軽く頭をはたかれたアキちゃんは、目に涙をためて威嚇した。


「もう、二人ともやめて!」


あたしが静止すると、しぶしぶながら、親子喧嘩は幕を閉じた。


息を整えた瑛さんに、思い切って話しかける。


「……あの……ありがとうございました。

おかげで、決着……つきましたね」


「決着?」


「もう、あの人があたしを襲うことはないでしょ?」


「……どうだろうな。

生死が確認できなければ、安心はできないだろう」


「大丈夫です、きっと……。

瑛さんが、説得してくれてたでしょう?

きっと……伝わってますよ」


「……どうだかな。

岡崎一族は強情で、天邪鬼な奴が多いから」


……あたしの言う事を、ことごとく否定する。

それでこそ、岡崎瑛だ。