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「これ読んで」
いつものように仕事帰りに病院に行き、帰ろうとしたときだった。
にこにこ笑って野ばらは水色のドット柄の封筒を僕に渡した。
「何だよこれ」
「ラブレター」
「いい年こいてラブレター?
付き合ってるときだって、そんな可愛いものもらったことなかったのに?」
「26歳はまだ若い!」
何となく重要なことが書かれてる気はしたけど、僕たちは軽々しく話していた。
しんみりしたくなくて僕は
「はいはい。分かったよ、26歳のオバサン」
と、むくれる野ばらをからかって手紙を受け取った。
僕は病室の外で立ったまま封を開け、震える手で便箋を開き読んだ。