「あ、廣瀬さん見て下さい‼」
「嗚呼、さっきからやけに篠原さんの顔が良く見えると思ったらこういう事でしたか」
ふと、下を俯けば
歩みを進める毎にポツリ、ポツリと辺りに光が灯っていることに気が付いてクイッと廣瀬さんの手を軽く引く
廣瀬さんは私の視線を辿ると納得したように頷き、懐中電灯のスイッチを切った
ゆらりゆらりと揺れる光に誘われるように奥へ進み
やがてやや広めのドーム型のスペースに出るとその光は私達を優しく包み込んだ
「………ッ⁉」
思わず声を出すのを躊躇ってしまうほどに美しく、神秘的な世界
白いベールを身に纏い、水の流れに身を任せるように緩やかに踊るそれは
幻想的な光に包まれた海月達だった