「………」
整った顔にのせられた切れ長な目は細められ、じっと相手の顔を見据えたまま長い指は撫でるように指先から手の甲を這って手首へ辿り着く
「……ッ」
親指で手首の裏を何度かなぞったあと、キュッと力をこめられ
ゾクリ…と身体が震えるのと同時に
ドクドクと急速に速まる心音
前にもこんな事があった気がする
艶のある…引き込まれそうな瞳で見つめられ、まともに息が出来ない
廣瀬さんはゆっくりと私の手ごとフォークを離すと、優艶に微笑んだ
「ん。篠原さんの味がします」
口元についたソースを指でとり、舌で舐める
その何気ない仕草さえどこか危険な香りが漂う
「し、しません‼」
「じゃあ、貴方を味見させてくれますか?それで確かめますから」
「それは無理ですっ」
するりと頬を撫でて甘い声で囁かれ
そこから身体が侵食されていく
さっきまでの無邪気な笑顔を見せていた人物とはまるで別人のようで
怖いとすら感じる