案内されたのは綺麗な海が一望できるテラス席

今は夏真っ只中だが今日はそれほど暑くなく、むしろ海風が涼しくて丁度良かった

「お決まりになりましたらそちらにあるボタンを押してください」

やってきた別の女性店員さんは二人分の水を置くと、チラリと私の向かい側にいる人物を見てキャッ…と小さく叫ぶと慌てて店内へ消えていった


「…私の顔がそんなに変なのでしょうか?」

店員さんの様子が気になったのか目の前にいる美人さんは徐に首を傾げる

「いや…変じゃないです」

むしろ整いすぎているというか…非の打ち所がないというか

改めて廣瀬さんはモテるんだなぁ…と思った

本人は気付いてないけど

廣瀬さんはなんとなく納得したのか気にしないことにしたのか分からないが、徐に脇にあった二枚のメニューを取ると、一枚を私に渡してくれた


「さて、何にしましょうか」

「うーん…どれも美味しそうですね」


私と廣瀬さんは暫く悩んだ末、店長オススメと書いてあったボンゴレロッソとペンネ・アラビアータを頼むことにした