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数十分程バスに揺られて水族館近くのバス停へ到着

お金を払って降りると、直ぐに磯の匂いが鼻をかすめた

「…海の匂い」

「ええ…潮風はとても気持ち良いですし…後で海岸に行ってみましょうか?」

思わぬ廣瀬さんからの提案にキョトンとする

「え…でも海は嫌いだって」

「水族館から出る頃には日も落ちているでしょう?暑くないなら大丈夫ですよ」

「本当ですか⁉」

フワリと笑う廣瀬さんに私は自然と声のトーンが上がる

水族館から出た後もまだ一緒にいられるんだ…

「…と、その前にご飯でしたね。近くに友人から聞いたオススメのお店があるのでそこに行きましょう」

「え?あ…はい」

急に話題が切り替わり、反応に少し遅れたが、慌てて先頭をきって歩いて行く美人さんの後ろを付いて行く

廣瀬さん…この辺りのお店知ってるんだ

ん?…ということは



「…廣瀬さん、実は水族館までの道のり知ってたんですか?」

そんな…まさかとは思いながらも気になったので背中へ声を掛ける

廣瀬さんは立ち止まり私の方へ顔を向けると



「秘密です」

クスッと意味深な笑みを浮かべる廣瀬さんに


あー…やられたって思った