「…また顔隠すんですか?」

隣から不服そうな声が聞こえてきたけど、こればかりはどうしようもないんです

「…ちょっとだけ待って下さい」

もう少ししたら多分、顔の赤みもドキドキも治まると思うから


「早く上げて下さいね?寂しいですから」

「……はぃ?」

ピキッ…と身体が固まる

さ…さみしい⁉

寂しいってなんですか⁉

「篠原さんの顔を見て話したいんです…駄目ですか?」

あーもう、お願いだから下から覗き込まないで下さい‼

端整な顔が近付くにつれて心臓がはちきれんばかりに跳ね上がる

「~~っ駄目じゃないです‼」

顔を隠したまま首をブンブン振って、否定する


けど…だけど‼

そういう事を言われる此方の身にもなって下さい‼

余裕なんてないんです‼

なんて、そんな事は言えなくて


「廣瀬さん…しばらく話し掛けてこないで下さい」

「え、どうして⁉」

吃驚したような顔を浮かべる廣瀬さんに私は気付かれないように溜息を吐いた



天然なのか…態となのか

どちらにしろたちが悪いのは確かです‼