「はぁ!?今日も話せなかったの!?」

「ちょ…紫乃(シノ)ちゃん声大きい。今講義中だから」

「あ、ごめん」

ごほんっ!!と大袈裟に先生が咳払いをしたものだから、私達は慌てて教科書で顔を隠す


「だって…本読んでたし」

小声で言えば志乃ちゃんは呆れたように溜め息をついて

「そんなのいつもでしょ!?いい加減良いお天気ですね~の一言くらいいいなよ!!」

毎回それ紫乃ちゃん言うけど、それ一昔前のお見合いの第一声だからとバッサリ切れば確実に拗ねるのでそーだねと適当に返す

あ、紫乃ちゃんは同じ大学のサークルで一番最初に仲良くなった友達であの人の事を相談している唯一の人

明るくて人懐っこい彼女はサークル内のムードメーカー的存在です