近い…近いです廣瀬さんっ‼
いつも離れて話をしていたからこの距離は心臓に悪い
夏だから廣瀬さんは半袖で…電車が揺れる度に肌が触れて落ち着かない
「良かった…雰囲気が違うから少し自信がありませんでした」
ホッとしたような顔をしたあと、私の服をみてふわりと笑った
「可愛らしい服ですね。とても篠原さんに似合ってますよ?」
勿論、篠原さん自身も凄く魅力的ですけど
なんて、逃げるに逃げられない電車の中でサラリと恥ずかしい事をいうものだから、みるみるうちに顔が真っ赤に染め上がる
普通の人が言えば臭い台詞だけど、廣瀬さんがいうと絵になるというか…恥ずかしくて死にそう
「ありがとう…ございます…廣瀬さんも…凄く素敵です」
まともに廣瀬さんの顔を見れず、下を俯いてどもりながらも返事をする
「そうですか?じゃあ私の目を見て言ってくれませんか?」
「…え、あの…今はちょっと」
恐らく整った顔には可愛らしい笑顔(男性にいう言葉では無いけど)が乗っているのであろうが生憎それを見る余裕はさらさら無い
天然なんですかそれは⁉