次の日、同じ時間に同じ場所に乗れば、奇跡的にもあの人が乗っていた

「あ、良かった。今日乗らないのかと冷や冷やしてましたよ」

「…廣瀬さん」

廣瀬さんは私の姿を見つけるなりホッとしたような顔を浮かべた

私だって廣瀬さんに会えないと思ってましたよ!

折角ので…デートなのに

「ああ…確かにデートかもしれませんね」

「うわっ⁉また口に⁉」

「出てましたよ?はっきりとね」

クスクスと笑われて羞恥で真っ赤になる

あーもう…なんで私ってこうなんだろう

穴があったら入りたい


「まあ、それはおいといて。

私としたことが…肝心の篠原さんの連絡先を聞くのを忘れてて…私は今日から夏休みだったんですけど篠原さんもかな…なんて思いながら一応電車に乗ってみました」


じゃあ…わざわざ夏休みなのに何時もの時間に乗ってくれたんだ…

どうしよう

すごく…嬉しい


「私も…同じ事考えて…この電車に乗ったんです」

「そうだったんですか?なんだかちょっと嬉しいですね」

少しはにかみながらそう言われ

私も…すごく嬉しいんです廣瀬さん

そう言いたくなったけど今度こそ恥ずかしさのあまり死んでしまいそうだったから代わりに赤外線で送信しますね…って笑いかけた