わたしは高笑いを響かせた。
いましがた婚約指輪は南京錠と共にレージのポケットに無理矢理ねじ込み返却完了。
ぅむ。
針金で南京錠を解除したのは我ながら偉業だと思う。
それはそうとはるばるレージの撮影現場まで足を運んだんだから、誰かわたしの律儀を褒め称えるベキだと思う。
誰も褒めないから自分で褒める。
「ふっふっふ。わたしを出し抜こうなんて千年早いわよ、レージ。」
「ぬぁあああ。今に見てろよっ、ぜってぇ捕獲してやっからな!!」
頭を抱えて吠えるレージを尻目にわたしは意気揚々と身を翻した。
本気でやってやり返し。
そんな関係が今は楽しいから、簡単に掴まってなんかあげない。