首元をさわりと撫でる感覚にぞくっと震えて
我に返った私は渾身の力で
―――頭突きをかました。
「ってぇ!!」
不意の攻撃を諸に食らって隙を見せたレージを更に蹴り飛ばして、ベランダによろめいたところでぴしゃりと窓を閉めた。勿論カギも閉めた。
「この女~……開けろっ。」
「ヤダね。」
窓にへばりついて歯ぎしりしているレージに舌を出し、カーテンを閉めた。
ったく油断も隙もありゃしねぇ。
レージは時々自分を見失うアホですが、
それでも強くて強くて強くて
真っすぐにわたしにぶつかってくる。
ガキの頃からその本気に手加減なんてありゃしないから
わたしも本気で抗うんだ。
いつだって
この先だって
こんなに本気になれる相手は他にいない。