「あ。」




帰り道をのろのろ歩いていたオレは前方に見知った顔を見付けて、思わず顔を顰めた。






携帯を耳に押し付けたまま、ぼんやりと路上に立っていた女の視線がゆるりとコチラに向けられ、ちょっと驚いた顔をした。






それも束の間で、



「レージ、くんっ・・・!」





泣きそうな顔で胸にしがみ付いてきた。






・・・・はぁ~・・・。