「ホワイトクリスマスが恋人たちに喜ばれる理由も分かった」
「何?」
「寒いから、ずっとくっついていられる口実になるだろう?」
「そうね」


 ロイドの腕に手を添えてクスリと笑った時、二階のテラスから声が降ってきた。


「ロイドーっ、ユイーっ! そんなとこに立ってないで、あったかい室内から眺めた方がいいよーっ」


 見上げると王子が、笑いながら手を振っていた。
 その隣では、今は王子の妃となったジレットが微笑んでいる。

 雪は王宮の屋根から噴き出しているのが分かった。

 結衣はロイドと共に返事をして、王宮の中へ入った。

 雪は今夜半まで降り続くらしい。
 王宮ディナーの後に、充分ゆっくり眺められる。

 今夜は家族で王宮に泊まる事になっていた。