結衣はふと空を見上げた。
 降りしきる雪の向こうに、満天の星空が輝いている。

 不思議な光景に、しばし見とれて立ち止まる。
 まるで星のかけらが降っているようだ。


「きれい……」


 思わずつぶやくと、後ろからロイドが抱きしめてきた。


「寒くないか?」
「大丈夫。あなたがあったかいから」

「そうか。雪なんか、最初は物珍しかったが、寒いだけで何がいいんだろうと不思議に思っていた。でも、案外いいな」

「そう? よかった」


 結衣は肩越しにロイドを見つめて、互いに笑みを交わす。
 ロイドは結衣の頬に口づけて囁いた。