「間違ってる…?変な事言うわね。」

「間違ってますよ!忍が道具なんて!沙江さんだって佐助さんだって人じゃないですか!」

「真琴……。」


なんだかそう思ったら声がつい大きくなっちゃって。

でも私は止まらない。


「いつだって私を見守って、助けてくれたじゃないですか!私、沙江さんがいなかったらきっと今ここにいないですよ!それに……」


そして私は沙江さんの手を取る。


「私、沙江さんのこと本当のお姉さんみたいに思ってます。」


沙江さんの目が丸くなるのがわかった。

でもそれも一瞬で。

すぐにいつものクールな笑顔でふふっと笑った。


「私変ですか?」

「ええ、とても。ここに集まる人は皆変な人ばかりね。」

「え?」

「あなたも幸村様も似てる。幸村様にも同じような説教されたわ。」


幸村も同じこと言ってたなんて。

でも、何と無く分かる気もする。


すると急に沙江さんは腰を上げた。


「さて、真琴あなた部屋に戻るんでしょ?」

「あ、はい。」

「また迷子になられたら困るわ。私が案内するわよ?__妹さん。」

「!!」


その言葉が嬉しくて、思わず沙江さんに抱きつく。


「ほらほら、行くわよ?」

「はい!」


私は沙江さんと部屋に戻りその日は早く寝た。


そしていよいよ、織田軍との戦が眼前に迫っていた。