座敷牢へ向かう。

__って言っても、佐助さんに方向を言われただけで場所はわからない。


これ、行きたくても行きようが無いんじゃ……?

牢って言うくらいだから地下とか?

いや、そもそもこの城に地下あるの⁈


「どうするのこれ⁈」


思わず叫ぶ。


だってそれくらいしかできないし!


すると私の横の壁からガタンっと音がした。

横を見れば隠し扉になっていたのだろう、その先には階段が続いていた。


え?!まって、まって。

さっきのが扉開く合図だったの?!

なんて不用心な……!




「全く…佐助も不親切よね。真琴が隠し扉知ってるわけないでしょうに。」


心の中で驚愕してると聞き覚えのあるクールな声が響く。


「沙江さん!」


私付きの忍、沙江さんに他ならなかった。

新府城の一件で怪我をした右腕には包帯が巻きつけてあって痛々しい。

右腕に突き刺さった苦無がフラッシュバックする。


「怪我なんて大したこと無いわ。これは私の使命を全うした勲章の代わりでもあるしね。」


私の心中を察したのか沙江さんはフッと笑う。

そして私の頭を軽く撫でて。


「あなたは何も心配すること無い。あなたも自分の使命を全うすればいいのよ?」

「………!はい……!」


沙江さんには本当に救われてると思う。

私も沙江さんの様に強くならなきゃな。


「これでこそ真琴ね。さて、あなたの幼馴染の所へ行きましょ。」

「はい!」


私と沙江さんは隠し扉の先の階段を下って座敷牢へ向かった。