✳︎side 幸村✳︎
供を連れてこないで1人でここに来た。
知ってるのは、俺だけ。
木の下でぼ~っとするのが好きだ。
そうすると、とても落ち着く。
そんな時、いきなり現れた真琴。
変な着物を着ているし、突然音もなく現れた。
忍でもない。
武家の娘でもなさそうだ。
すぐに名前を言うあたり、野盗でもないだろう。
とにかく怪しかったが、悪そうな人間ではなさそうだった。
なぜか真琴から目が離せない。
確かに容姿は可愛い。
瞳は大きくて、髪は茶髪。
肩ぐらいまでしかない短い髪型がよく似合っていた。
……笑顔も可愛い。
だけどそれだけじゃない。
出会ったばかりだがどこか魅力的だった。
呼び捨てで構わない。とまで言った。
真琴に様付けされるのはなんだかよそよそし過ぎる。
それは嫌だった。
<真琴と居たら楽しいだろうな。>
これが率直な感想。
真琴はまるで明るい太陽の様だった。
とにかく
<真琴と一緒に居たい……>