「そう言えば…真琴はこの辺りに住んでいるのか?」
「ううん。な、なんて説明すれば……」
とりあえず幸村には私の状況を話すべきかな?
……夢じゃないってわかったし。
信じてもらえるかわからないけど。
「えっと…その…私、未来から来たんだ……」
説明は下手くそだから、単刀直入に言う。
「未来……?」
「そう。約400年後の未来。」
幸村はちょっと難しい顔をした。
「未来の異国から来たのか?」
「違う。未来のここ……信濃だよ」
私の故郷は未来の長野県。
幸村は地元の武将で有名。
その事もあってか幸村……真田家が好きだった。
「未来の信濃……」
「そう。だから幸村のことも知ってた」
未だに幸村の顔は難しい顔をしている。
そうだよね。
いきなり未来から来たって言われても……
すると、幸村がなにか納得したような顔になった。
「……そうか。その着物も未来の物なのか?」
「そう。」
「成程な……道理で見たことない物な訳だ。」
「え?信じてくれるの?」
「……あぁ。俺は信じる。」
どうにか幸村には、事情は理解してもらえたらしい。
「未来の信濃って言ったな。この辺には詳しいのか?」
「うん。ある程度大丈夫。」
「なら父上も説得できそうだな……」
幸村がボソッと何か言ったが聞こえなかった。
「………??」