「真琴にはお館様を説得させてもらおうと思ってな。」

「は、はい?!」

「未来の歴史を生かしてお館様を説得してもらいたい。」


何だかすごい大任を任された?!

幸村と信幸様はおおよそ予想してたみたいで動揺してないし……!

でも、これは私にしか出来ないこと。

自分に任せて下さった昌幸様に応えないと。


「はい。承知いたしました!」

「うむ。」


昌幸様は満足そうにニコリと微笑みながら頷いた。


「急で悪いが、明日の昼にはお館様の所へ参ろうと思うが……出来るな?」


頭のいい人は「出来るか?」とは聞かない。

「出来るな?」 出来る人物しか必要としていないのだ。


「はい!頑張ります!」

「真琴はよい返事をする。」

「へへ♪」


よし。
今からでも説得の構成を考えなきゃ。


少しでも幸村……いや、真田家の役に立ちたい。


私の動力源はそこにある。


私はその為にこの時代に来たのだから。


勝手な思い込みかもしれない。

それでも私はそうだと信じてる。


「それでは私はこの辺で失礼しますね。」

「もう戻るのか?」

「はい。沢山頂きましたし、お腹いっぱいです♪」


私は微笑みながら答え、立ち上がる


「そうか。」

「ご馳走さまでした♪」


最後に頭をペコリと下げて、退出した。


さーて。初仕事に備えよっか。