「あんたは俺を知っているのか?」

「うん。……知ってる。」

私の顔はきっと真っ赤だろう。

まさか、会えないと思っていた人に会えるとは!

………いや、待て。

こんなに都合が良いことがあるわけない。

きっと夢にちがいない。

こんないい夢が続いたら、覚めたときがヤダじゃん

早く夢から覚めよう。


そう思って、自分のほっぺをつねる。


「いっ痛!」


「………何をしているんだ?」


その様子を見た幸村が、半分呆れ顔で私を見ている。


ゆっ夢じゃない………。
本当に戦国時代に迷い込んじゃった……!


「な、何でもないです!幸村様!」



「幸村、でいい。」


「あっ……じゃあ幸村って呼ばせてもらうね」


「………変わったやつだな。」


幸村が笑った。


「失礼な!……まぁ変わってるてよく言われるけど。」


私も笑った。