城に入った私達は、幸村の部屋に通された。
流石、と言うべきだろうか。
一城の主の息子だけあって、部屋はなかなか豪華だ。
……しかし、他の城に比べてどこか質素な感じだ。
節約かな?
そこで、幸村が佐助さんにこれまであった事を説明した。
「へぇ~…真琴ちゃんは未来から…」
「はい。一応……」
「で、取り敢えず俺が引き取った。」
「なるほどね。」
あれ?
佐助さんもそんなに驚いていないみたい……。
「あの、なんでそんなに驚かないんですか?」
「え?……まぁ、この時代の人間にしたら、警戒しなさすぎだからねー真琴ちゃん、あんた戦を知らないだろ。」
「はい…」
「やっぱりね。雰囲気でわかるよ。」
「そんなに私、警戒しなさすぎですか?」
「まあね。」
佐助さんは急に厳しい顔になる。
「ある意味、良い事だけど、それじゃ生き残れない」
「生き残れない……。」
とても厳しい事を指摘された。
__今は戦国乱世。
今日、“生きるか、死ぬか”の世界。
「そう。」
私はそんなことを言われても、ヘコタレなかった。
キッと前を向いて、言った。
「……それでも私、役に立ちたいです!」
「お。案外心が強いね。……俺が指導してもいいぜ?」
「………へ?な、何をですか?」
「武術とか忍技かな~。まずは強くなることだな。」
佐助さんが微笑む。
私も満面の笑みで答えた。
「ありがとうございます!」