その声の方を振り向けば、黒のパーカーを深く被った黒髪の少年、か?
「な、なんだお前はっ!?」
いきなり現れた少年に驚いた東さん。俺もだけど。
こんな10代くらいの少年が署にいるわけがない。
「僕の事より、ソレについて問い詰めた方がいいと思うけど」
ソレ、と言って顎で差した白い粉
まぁ、これは、そのー‥世間一般的な‥
「小麦粉ー‥」
スパァンッ
「刑事にもなって遊んどるつもりかっお前は!」
東さんに叩かれた。
まぁ、うん。
いくら俺だってわかるって。
コレが麻薬だって事くらい。
「でー?この得体の知れない小僧の言っている事は本当なんだな?」
目の前に証拠を突き出されれば誤魔化せはできないよな。
「因みに、これ店の中の監視カメラの映像から出した写真」
持っていたパソコンを開いて少年が写真の映された画面を見せる。
あぁ‥言い逃れできないだろあれは……
その画面にはハッキリと麻薬を渡す場面が映っていた。