映像を見続けて気づいたのは常連客の顔ぶれだ。確かに頻繁に通っている奴はいる。
出勤前に朝飯を買うサラリーマン。
平日の昼間に昼飯を買いに来るスウェット姿の男。
近くに工事現場があるのか作業着姿の男。
制服を着崩した学ラン姿の高校生。
と、見続けている中で何人かは絞れてきた。
しかし特段怪しい素振りなど、そういった者は現れていなかった。
「…難しいな……」
「随分と擬態が得意な犯人の様だね。」
「あぁ、完全に一般人にしか見えない。」
俺の見方が悪いのか?
何か目線を変えてみるとか…
と、思った時に携帯の着信があった。
「もしもし、東さん?」
「よう、俺だ。お前ら今どこにいる?」
事情を説明する。
「成る程。俺からも報告がある。今おれは通学路付近のホテルにいてな。そこの監視カメラに島本の姿があった。長野に帰ったと思われていたがとんでもねぇ。あの通学路付近のホテルに泊まっていやがった。」
「…本当ですか!?」
思わず席を立った。
伯にも聞こえていた様ですぐさま二人で席を立った。
監視カメラの映像を借りてから二人で東さんの元に向かった。