「…………………え?」



「婦女暴行で捕まりたいのオッサン。」



「捕まりたくな…え?いや、ちょ、待て!待て待て待て!」



今の感触はなんだ?



なんか伯の胸部が異様に……



「…お前の胸筋固くないぞ……」



「兄ちゃん、それ胸って言うんだぞ。」




やめろ少年。
俺に現実を見させないでくれ。



「兄ちゃん泣くなよ。現実ってのはしっかりと前を見ないと向き合えないんだぜ。」



「お前ガキのくせにすげぇ大人だな…」



「まぁな!俺は大人だから何でも知ってんだ!俺は先生の彼氏の名前が野田だって知ってるし!」



フフン、と鼻を鳴らしたクソガキ



あぁ、そう。
あの先生、彼氏いるのね。




それがどうした!




嘆いていると俺の携帯に着信が入った。
電話の相手は淳子さんだ。



「どうしました?」


「さっき誘拐犯から連絡がきた。
逆探知に成功したからそっちに向かってほしい。」




わかりました。と返事をして切るとすぐに伯のノートパソコンに住所が届いた。



住所はこの場から近めの廃ビルだった。



少年の家からすぐに向かった。



キィッ……