木山邸のリビングに機材を運び込む。




ちなみに伯に手伝えと言ったら




「僕がやるより君の方が適任だろ?」




なんて珍しく褒めてくれたと思ったら




「体力バカ、なんだから。」




しかもバカ、の部分を強調して言いやがった!




結局俺と東さんが機材をリビングに運び込んだ。




この機材は何かって?




簡単だ。
テレビでもよく見るだろ?




逆探知の為の機材だ。




「もう一度接触してくる可能性は高いからな。なるべく時間を引き伸ばして会話をするよう言ってある。」




と淳子さんの指示だ。




逆探知の操作とセットは千尋がやる。




千尋がPCで会話するだけの地味系女子だと思ったか。




残念だったな、理工学に詳しいのだ千尋は。




[逆探知のセットは完了したよ。]




逆探知用のPCを繋いで準備は万端だ。




「まぁいつ電話来るかわかんないけどね」




伯が言った事は最もである。




「まぁ俺らは先にやることがあるから」



「?何」




オイオイ、ただ単に誘拐犯からの連絡を待つわけないだろ?




「木山さん、犯人に心当たりは?」




犯人探しだ。




「フン、程度の低い犯罪を犯す奴なんぞ知らんな。」




鼻で笑いやがった。




「犯罪に程度の低いも高いもないでしょ。アンタのくだらないプライドの高さのがよっぽど程度が低いっての」




そうそう‥って




「なんだと貴様っ!」



「伯っ!」




同時に立ち上がった俺と木山さん




木山さんはご立腹だ。