「純。今日はオレとお前の二人だけのパラダイスだったのになあ」
「アラン、わたしがいてこそパラダイスになるのよォ!」
あ、
青海苔せんべえのかけらがもろにとんだ。
「ふざけんな!今日こそは二人っきりで愛し合うつもりだったんだぞクソオカマ!」
「あら、どこにいるのかしら、オカマなんて。ここには女二人、男一人。」
白を切る身長の高いオカマに殴りかかっていく竜を見て、ため息がでた。
今日愛し合う?
何のことだかさっぱりだ。
馬鹿二人に見つからないように、そっと部屋をぬけて、ミルフィーヌさんの壊した玄関を出た。
帰りながら、考えた。
いつからだったっけ?
わたしの近くに、
この人達がいるようになったのは。
ねえ、
竜さん。
わたしは貴方を好きなんだろうか。
でも、確かなことが一つ。
わたしは竜さんにあってから、
ほんのちょっと、
楽しみがふえたんだ。