……確かに。

俺ってば、なんでこんなに熱くなっちゃってるんだろう?

ダイスケじゃあるまいし。

こんなの初めてだよ…


でも、自分でもよくわからない。

言わずにはいられないっていうか、黙って見過ごすわけには…


「……もう、いいでしょ?」


考え込む俺に、ぶすっとしたまま彼女が言った。


「私、今ものすごーく眠いの。邪魔するなら帰ってくれる?」


ものすごーく機嫌悪そうに。


「まったく…。アンタといい、ナツメといい…なんで私の邪魔ばっかりするのかなぁ?」


……また、出た。

さらりと、でも圧倒的な存在感を表す“名前”。

本人は無意識なんだろうけど、俺の胸にはグサリと突き刺さる。


「……ねぇ、聞いてる?」


黙ったまま動かない俺を見て、さすがに不思議に思ったのか、


「ちょっと?」


彼女はゆっくりと俺のほうに近づいてきた。


「え?何?どうしたの?」


明らかにいつもと様子が違う俺を覗き込みながら、恐々と伸びてきた手。

俺は、それを思いっきり引き寄せた。


「なっ…なにっ?!」