「今日は屋上…だよね?」



教室を出て。
一瞬だけ、保健室と迷ったけど…

窓の外の青空を信じて、俺は足を踏み出した。



……修ちゃんってば。

何も、俺に“当たる”ことないのになぁ…





――あの後。

くるみちゃんと修ちゃんのひと悶着がようやく終わったと思ったら…


「風歩を連れてこい!」


なぜか、イライラ全開の修ちゃんの矛先は俺へと向けられて…


「いいか?目を離したら何が起こるかわからないぞ?」

「え…?」

「誰かに何かを吹き込まれるかもしれないし、他に“男”が現れるかもしれない」

「え?修ちゃん…?」

「手遅れになる前に連れ戻してこい!」


…修ちゃん、すっかりキャラが変わってるよね?

“ふられた”こと、相当ショックだったんだろうなぁ…



…よし。

報われなかった修ちゃんのためにも、俺は幸せになろう!







そう思って、促されるがままここまで来ちゃったのはいいけど…

これって、俺もサボりになっちゃうよね?

さっきチャイム鳴ったし…あーあ。



ため息をつきながらも、屋上への階段を上り始めた…ときだった。



「ちょっと!なんで、またいるわけ?」