着替え終えた彼女と並んで部屋を出たところで…
「も…萌は、もう準備万端ですので、出かけるときに声をかけてください!」
もじもじと。
俯きながらも頑張ってしゃべっている…萌。
「そ…それじゃ「ちょっと待った。」
「え…?」
「スカート、また直したでしょ?」
「ハ…ハイ。」
「髪も…なんで“三つ編み”にしちゃうの?」
「だ…だって…」
「そのほうが余計に目立つんだってば。何回言ったらわかるの?」
「ご…ごめんなさい。」
じわっと、涙をにじませる我が妹。
あーあ…。今日もまた、始まった。
もちろん、注意しているのは俺じゃなくて…
「ちょっ…泣かないでよ。私は別に意地悪で言ってるわけじゃ…」
「わ…わかってますぅ。ただ…」
慌ててハンカチを出して、萌の涙を拭ってやる彼女。
「心配してもらえるのが嬉しくて…」
「はぁっ?」
「やっぱり“お姉ちゃん”っていいなと思って…」
「はぁぁっ?」
……また、か。
最近、よく見る光景。