「…あ。写真撮っておいたんだけど見る?」
そう言って、机の上にあったケータイを手にしてみれば…
「いいっ!って言うか何それ?今すぐ消してっ」
布団を跳ねのけて、彼女はものすごい速さで駆け寄ってきた。
格好なんて気にせずに…
「ちょっ…貸してよ!」
ケータイに伸ばされた手をひょいとかわして、代わりにその手を掴んで引き寄せる。
「な…なに?」
一気に近づく距離。
彼女の肩がビクッと震えたのがわかった。
…可愛いよなぁ。
ホントは、今すぐどうにかしちゃいたいんだけど…
「…ハイ、制服。」
ケータイを置いて、代わりに彼女の制服を差し出した。
「はっ?」
「早く着替えちゃって。
見慣れてるとは言え、さすがに直視するのはキツイし…」
「えっ?…あっ!?」
慌ててそれを受け取る彼女。
それを抱えて隠しつつ、部屋の奥へと戻っていく。
「…あ。写真は“嘘”だから。」
「…へ?」
「撮ってないから、安心してね。」
「はぁっ?」
今日も、“起こす”ことに成功。