「信じられない!」



さっき自分で蹴り飛ばした布団を急いで手繰り寄せながら、肩を震わせる彼女。



「また、人が寝てる間に…」



言いながら、再び涙目で睨んでくる。



「い…いくら“つき合ってる”からって、やっていいことと悪いことが…「失礼だなぁ。」



“つき合ってる”って、ちゃんと自覚してくれてることは嬉しいんだけど…

明らかな勘違いは正してあげないとね。



「それは俺じゃないよ?」

「はっ?」

「風歩ちゃんが“自分で”脱いだんでしょ?」

「う…うそっ」

「ホントだって。俺、昨夜は何もしてないもん。」


俺がここに来たときには、すでに爆睡してたし。

まぁ…、その格好のまま、抱きしめて眠ったのは確かだけど。

脱がせたわけじゃないし、

パジャマを着せようにも、暴れるんだもん。


「“暑い”とか言って…
隣で寝てたカリンを蹴飛ばしながら脱いでたじゃない。ね?カリン?」

「にゃーっ!」

「ウソ…」

「布団まで蹴り飛ばして、ものすごい格好になってたよ?」