「おはよう、風歩ちゃん。」


起き上がった彼女に、俺はにっこりと微笑みかけた。


「“おはよう”じゃないわよ。アンタ、朝っぱらから何して…」


そんな俺を、

まだ息が整わないのか、肩を上下させて涙目になりながら睨んでくる彼女。


それがまた可愛いんだけど…いけないいけない。

これ以上はさすがにダメだよね。



「さぁ、早く支度して?遅刻しちゃうよ?」



時間も差し迫っていることだし…


「はぁっ?話そらさないでよ。って言うか、まだこんな時間じゃない!なんで起こすの?」


差し出した時計を見て、なんだかまた怒ってるし。


…まったく。

寝起きは、ぼーっとしてるか機嫌が悪いかのどっちかだもんなぁ。

慣れたけど。



「私は“10分”あれば足りるの!だから…「早く着替えたほうがいいよ?」

「…は?」

「いくら春とは言え…いつまでもその格好じゃ風邪ひいちゃうから。」

「格好…?」



俺の言葉に一瞬きょとんとしつつも、ゆっくりと自分の格好を確認した彼女は…



「…何これっ!?」