「―――わかった?」



俺たち以外には誰もいない屋上で。

しっかりと内側から施錠された“密室”で。



何をしたって。
誰の耳にも届かない。



「……ね?“危険”でしょ?」



さすがに俺は、ここで“これ以上”はできないけど。

でもさ、他の男だったら、これだけじゃ済まされないと思うんだ。

“ナツメ”だって…


「いい?これからは、むやみに“ナツメ”と2人っきりにならないこと!」


うるうるの瞳を覗き込んで。

蒸気した頬にすーっと指を滑らせながら。

唇すれすれまで顔を近づけて囁いた。


「ここで一緒に寝るとか…あり得ないからね?」


俺の言葉に、コクコクと頷きながらも顔を背けようとする彼女。

それを制しつつ。


「守れなかったら…今度は最後まで“実践”して、身体で“危険”を覚えてもらうからね。」


彼女のはだけたブラウスの隙間から、さっき付けたばかりの紅いしるしを確認して、ようやく心に落ち着きが戻ってきた。


彼女は、俺のもの。



俺が言いたかったこと、
ちゃんとわかってくれた…よね?