声にも力が入っていないし、額に汗も浮いているーーどうしよう!
「ガルルルッーー」
「わっ!」
キッチンに飛び込んできたのは大きな狼ーーカインだ!
「二人とも、大丈夫か!」
ダネルも駆けつけてくれて、モジャモジャはカインに一吠えされただけで飛び上がって逃げ出してしまったーー雨の中大丈夫なのかな……。
「……ミカさんの手当て、お願いします」
「ミカ、怪我したのか?!」
「う、うん。でも、大したことないよ。それより、ウィルがーーあ!ウィル!」
ふらふらと、ウィルはキッチンから出て行ってしまった。
「ウィル、すごく具合悪そうだったの!
」
追いかけようとして、ダネルに引き止められた。
「ウィルは大丈夫だ」
「で、でも!」
「心配なら、尚更傷の手当てをしてやれ」
「町に着くの、遅れちまったからな。最後に飲んだの、三日前だろ?」
ーー飲んだ?……それって……