案の定、あたしの台詞を聞いたウィルはおかしそうに笑った。
「良い物が見つかるといいですね」
「べ、べつに……はしゃいでるわけじゃ……」
実際はしゃいでいるもんだから、もごもごと言い訳しかできない……。
「いいですよ。せっかくですから、楽しみましょう」
にこりと笑って手を引かれる。そのまま二人でログハウスの奥まで行くと、そこはキッチンになっていた。
「うわぁ……棚も引き出しも開けっ放し……」
「だいぶ散らかっていますね……」
水道の蛇口を捻ってみると、シンクに流れた水がシュウゥと音を立てた。
「わっ!酸性雨だ!」
慌てて蛇口を捻って水を止めた。
ーーびっくりしたぁ……!
「外の溜め池から水を引いているんでしょう。しばらく、ここの水は使えませんね」
「うん。間違えて飲んじゃったら、大変だもんね」