「へ?えー……とー……」
ーーサンモンって、なんだろう?サンモン……さんもん……さーもん……?
「……鮭?」
「しゃけ?」
「あっ、ちがうちがう!たぶんきっと違う!」
こんなダジャレみたいなものじゃないはず……だと思う。じゃあ、なにか?うーんと……んー……
「わかった!自分が得したことがサンモンなのよ」
「自分が得をしたこと、ですか?」
「うん!んー……と、早起きして、朝ご飯作ってるお母さんに『おはよう』って言ったら『あら、今日は早いのね』って、朝ご飯のおかずを味見させてくれたりしたときって、早起きして良かったって思うもの。良いことがあったときに『早起きして良かった』って思ったら、それがサンモンの得なのよ」
やっと謎が解けて意気揚々と答えると、ウィルはにこりと笑って
「なら、僕のサンモンの得は、ミカさんから“サンモンの得”の話を聞けたことですね」
嬉しそうにそう言ってくれた。
「あたしも、ウィルと話せて良かったわ!サンモン得しちゃった!」
あたしも嬉しくなって笑った。二人とも同じサンモンの得をしたんだから、サンモンのとくとく、かしら?
なんてことを考えながら笑っていると、ぐう、とお腹が鳴った。